遊べるオリックス生命

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一九九三年末には一二九ドルになったのだから、配当を除外して計算しても、一九七三年以来の投資に対するリターンは、年率二ハ・六%ということになる。 一九九一年に、Kが引退し、そのために空席ができたPの役員にPの妻Sが任命された。

彼女はすでに二番目の大株主であり、Pの死後は彼の持株を相続することにもなっている。 Pが死亡しても、Pの株主は、二つの理由でとりあえず安心していてよかった。
第一に、Pの持株を売らなければならないという必要性はとくにないし、P夫人は、よい値がついたからという理由だけで子会社を売却してはならない、という指示を受け取っていたからである。 第二に、これが最も重要なことだが、Pの死後は、Pの全権を握って経営を行なうようにとの依頼を、Cが受けていることである。
それに加えて、Pは株主に対して、ユーモア交じりに、「私が死んだら、Pの収益は直ちに一OO万ドルは増えるだろう。 Cが、翌日には社用機のインディフェンシブルを売り飛ばすだろうから。
てね」と述べている。 CとPは、ともに良識あるビジネス規範ということについて、妥協の余地のない、確固とした姿勢を保っている。
Pは保険業の低い利益率に耐え、ある時期には、あえて新規の契約をしなかった。 それと同様にCは、乱脈なS&L業界のなかにあって、貸し出しを断るという決断を下している。
二人はともに質的にレベルの高い企業において、経営者に要求される資質を備えていることは明らかであり、その点でPの株主は恵まれている。 自分たちの資産を管理し、いかなる経済情勢にも対処して、収益を上げるべく努力を惜しまないマネージング・パートナーが、二人もいるからである。
Pは、強制的な引退ということには反対である。 だから、Pの株主は、長い将来、一人ではなくて二人もの良識のある経営者を持ち続けることができるというわけだ。
一緒に埋めてくれという私の希望に反しウォーレン・Pの人となりを描写するのは容易ではない。 外見はさして目立たない。
おじいさんタイプ、とよく言われるそうだ。 知的な面では、彼は天才である。

といっても、対人関係はごく自然体であり、ひねりの効いたウイットと陳腐なユーモアが、うまい具合に同居している。 理論的で筋の通ったことはあくまでも尊重するが、愚かしいものは忌み嫌う。
そして単純、明快きをとり、複雑に混み入ったことは避ける。 年次報告書を読んでまず感じることは、バイブルから、そしてケインズ、あるいは女優のMが一言ったこと、などの引用が随所に目につくことである。
もちろん、この報告書は」一仙む。 に値するものである。
どの報告書も、密度の濃い情報がいっぱいの、六O-七0ページのか大作。 である。
写真、カラー・グラフ、チャートなどは一切ない。 第一ページ目から始めて、読み通す意欲のある者は、彼の経済、金融に関する慧眼、親しみゃすいユーモア、そして忌障のない率直さに触れることができ、大いに報われる。

Pの報告は実に公正なもので、Pの業績のフラス面とマイナス面をともに隔でなく記している。 株主は会社のオーナーである、というのが彼の認識で、だから自分がその立場にあったとしたなら知りたいと考えるであろうこと、それと同じことを報告するのである。
Pが率いる会社、すなわちP杜は、彼の人柄と、経営哲学、それに彼の独特なスタイルなどを、そのまま形に表わしたものと言える。 この会社を見れば、彼の経営についての主な信条を知ることができる。
彼が会社というものに対して望む資格要件のすべて、後の章で一不す要件のすべてが、この会社のなかに実現されている。 またそこには、かP流。
が、独特の斬新な社規として現われている。 たとえば寄付行為に関するもの、報酬規定などである。
企業の経営幹部の報酬は、株主と経営者との聞で激しい論議の種になってきている。 トップ層の年間給与は、軽く一OO万ドルを超えている。
株式を公開している企業の経営幹部は、この高額給与に加えて、二疋の価格で自社株を購入できる権利、つまりストック・オプションを与えられるのが慣例になっている。 これらの報酬は、ほとんどのケースで、当の本人の実際の業績とは直接の相関関係はない。
企業の業績次第、ということである。 Pは、ストック・オプションを一律に適用すると、平均以下の働きしかしていない幹部が、めざましい業績を上げた者と同等の報酬を受け取ることになる、と言う。
彼の考えでは、いくらチームが優勝したからといっても、一割五分しか打てなかった打者が、三割五分も打った打者と同じ報酬を受けることはありえないのである。 PでPが採用した報酬規定では、幹部の報酬は、業績査定によって決められる。
所属企業の大きき、個人の年齢、P・グループ全体の収益状況が影響することはない。 Pの考えは、Pの株価の上下には関係なく、その部門の業績がよければ相応に報われるべきだということになる。

幹部は、それぞれに与えられた権限下の業務に課せられた業績目標、その達成度に応じて、報酬を受ける。 ある者は売上げを伸ばして、またある者は、経費の節減や投資額の削減を行なったことについて報われることになっている。
年度末になると、Pは、ストック・オプションを与える代わりに小切手を切る。 ときには非常に高額にもなり、受け取った幹部は、それを自由に使うことができた。
もっとも、それでPの株を買う者が多く、結局、オーナーと同じリスクを負う結果になっている。 Pは、幹部への報酬が高額になるのを許容したので、たとえば保険業務を任されていたMは、一九九二年には二六O万ドルを得ている。
ただし、保険業の業績が低迷していた年には、基本給の一O万ドルがすべてだった。 P自身としては、毎年、給与プラスボーナスとして一O万ドルだけの支給を受けていた。
彼の報酬が、フォーチュン誌五OO杜のCEOのなかでも最も少ないものだったことは確かだろう。 もちろん、彼はP株四七万五OOO株を持っているが、これは無配である。
今日に至るまで、億万長者のなかで税の申告を自分でしているのはPだけである。 P流の独特のやり方を典型的に表わしているのが、チャリティーへの献金の方法であろう。
これは、株主による献金先指定プログラムと呼ばれている。 つまり株主は、持株数に応じて献金の受け取り先を指定できる。
ほとんどの企業では、チャリティーの献金先を決めるのは役員か幹部社員である。 それも往々にして彼らの好みで決められ、実質的な金の出し手である株主の意志はまったく反映されない。
これはP流ではないのである。 「AがBから金をとってCに渡す、というときに、Aが行政官なら、この仕組みは税制と呼ばれる。

ところが、Aが企業の幹部や役員である場合、これはフイランソロビーと称されるようだ」というのが彼の言い分だ。 Pでは、株主の申し出を受けて、その指定先へ寄付金を贈る。
このシステムが発足した一九八一年には、一七O万ドルを六七五カ所に寄付。 以後一二年間に、何千という相手に合計六OOO万ドル余りを贈ってきている。
ちなみに、一九九三年だけでも、Pの株主は一二二Oカ所に九四O万ドルを寄付している。 対前年出(%)年1株当たりの簿価S&P5日日(含配当) 比較これは、Pのめざましい好業績の一端に過ぎない。

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